サクソニーブルー

“もう二度と会いたくない”冷たい息が凍え
その優しさに触れる前に巻き戻してもう一度

窓から入り込む街の灯りが眩しい ひとりぼっちを照らされているみたいね
苦手なコーヒーをそっと飲み干してみても
苦しさだけがのどに残って体を火照らせた

溢れる感情こらえて足早に去って行く これでいいんだと呟いて

“もう二度と会いたくない”冷たい息が凍え
振りほどいた左手に残る微かな温もり
デタラメな事ばかり話す 俯いたままで 頬をつたう黒い雫 儚く舞い落ちた

ため息がこぼれる 外は静かにざわめく
すれ違う笑い声の中響いた あてもなく歩いて
ふいに通るいつもの帰り道 見慣れたはずの景色が寂しい

後悔なんかじゃないと唇噛み締めた 必死に言い聞かせる 呪文のように

ありがちな台詞重ねては後ろ髪引かれて
薄れゆく細い声にさえ耳を塞いだ
鮮やかな花咲き誇り すぐに散ってしまうけど
巡り巡る季節の中また新しく芽吹く

あの時間もあの匂いもモノクロになって 思い出すのは交わしたいつかの誓い
その笑顔はその涙はもう側にはない 振りほどく左手が震えた

鮮やかな花咲き誇り すぐに散ってしまうけど
巡り巡る季節の中 また新しく芽吹く

“もう二度と会いたくない”冷たい息が凍え
その優しさに触れた記憶 いつか消えてしまうかな? 降り積もる雪のように
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