広東エレジー

想い出すほど 辛さがつのる
追われ追われた 北の国
あゝ あの日から
泣いて泣いて つぶれた目
今じゃ流れて 広東の
夜毎にひらく 水の花

生きているとは 名のみの命
ともし灯消えた 胸のうち
あゝ こんな世は
泣いて泣いて 忘れたい
だけど逢いたい ただ一度
顔さえ知らぬ お母さん

粉を挽き挽き 李を食べた
昔のあたし どこへ行った
あゝ サンパンで
泣いて泣いて 弾く胡弓
人を待つ間の なぐさみに
くずれた夢を そっと抱く
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