街の辻馬車

街の辻馬車 四馬路の角で
今日の別れに 手を取り合うて
咲いたパレホの 花束抱けば
遠い思いに さしぐむ涙

笛を鳴らして 夜霧に消える
恋の辻馬車 また逢う日まで
これが別れと 一鞭あてりゃ
赤い蘭灯 涙にうるむ

月は照らせど 還らぬ夢に
泣いてくれるな いとしの君よ
心切なく 嘆きをつめば
軋む轍の 音さえわびし
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