IV. The Thirst -渇望-

ふと目覚めて感じる、君の寝息。
温かさが、心の奥へしみわたって行く。

その矢先、光が夜を、、壊し始める。

気品に満ちた暗い部屋に、
色が加わり、

現実が襲いかかる。

来るな。

やっと手にした温もりを、
もう手放さなくては行けないのか?

失うくらいなら、いっそ、知りたくなかった。

最後にもう一度、抱き締めようとすると、
君は、もういない。

残るのは、かすかな月の香りだけ。

この望み、何処にぶつければいい。
この涙、何処に落とせば良い?

この呪い、誰に向ければ良い!
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