耳飾り

どこかで失(な)くした ピアスを探しながら
一人でそっと泣いていたのは
黄昏(たそがれ)に もう少し
小雨もバラつく午後でした

愛しているよとやさしく耳につけた
あなたのことを思い返して
片方の耳飾り
半分こわれた愛でした

やっぱり駄目なのね
もとには戻れない
神様の占いね
耳飾り かくすなんて

十九と二十歳(はたち)の間の季節だった
あなたに逢って とてもしあわせ
いつの日も 眩(まぶ)しくて
クラクラしていた日々(ひび)でした

季節が変わって心もちょっと変わり
二人の愛が ひび割れたのは
おたがいの わがままが
小さくぶつかる時でした

とうとう駄目なのね
あの日は夢なのね
神様のいたずらね
耳飾り 一つかくし

やっぱり駄目なのね
もとには戻れない
神様の占いね
耳飾り かくすなんて
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