リラの花咲く頃

リラは咲く 祖国を離れて リラは咲く 忘れもせずに
見上げれば 空の色さえも 馴染(なじ)みなき異郷に在(あ)って
少しずつやがては違う花のように 声も姿も変わり果てても
時が来れば花は香る
長い闇に目を塞がれても 灼けつく砂にまみれても
時が来れば きっと
リラは咲く 祖国を追われて リラは咲く 忘れもせずに
祖国で今咲く日に リラの花は咲く

リラは咲く 思いを残して リラは咲く 異郷の隅(すみ)に
ことづてを頼む鳥さえも 通わない異郷の隅(すみ)に
容赦(ようしゃ)なき大地と容赦(ようしゃ)なき嵐に
似ても似つかぬ枝となっても
時が来れば花は香る
風が何処(どこ)へ運ぶかは知らず 明日(あした)の行方(ゆくえ)も知らずに
時が来れば きっと
リラは咲く 祖国に焦がれて リラは咲く 忘れもせずに
祖国で今咲く日に リラの花は咲く

遠い悲しみたちも 遠い幸せたちも
私が今そこに居ないことも 忘れ去られても
リラは咲く 祖国に焦がれて リラは咲く 忘れもせずに
祖国で今咲く日に リラの花は咲く
祖国で今咲く日に リラの花は咲く
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