雨の裏町

惚れたおまえの 涙のような
路地の屋台の こぬか雨
ふたり暮らして いた頃は
気づかなかった やさしさが
男ごころを 男ごころを また泣かす

酔いにまかせて 指輪の跡を
噛めば愛(いと)しい くすり指
いつかあなたの 故郷(ふるさと)へ
行ってみたいと 甘えてた
なんで黙って なんで黙って 消えたのか

白い襟足 かぼそい身体
濡れていないか この雨に
いくらおまえを 慕(おも)っても
させる情けの 傘もない
せめて倖せ せめて倖せ 祈るだけ
×