カズオくんと不思議なオルゴール

蓋を開ければ カタカタと
錆びた歯車 軋ませて
見るも無残な 踊り子が
立ち上がる

飛び出た目玉 裂けた服
両手はもげて ぶら下がる
回ろうとして 回れずに
震え もがく

自分の目から 淋しさを
えぐり出しては 踊り子に
貼りつけていく きみの密かな
ひとり遊び

月日は流れ ある夜更け
きみは静かに 立ち上がり
不思議な歌を 歌いながら
回りだした
×