神の雫

ある時 女神様が 若者に 苗木を与え 囁いた
貧しいこの土地で 苗を育て 祈り ささげよと……

やがて葡萄が実り 宝石のような
ひと雫のワイン 若者は醸したよ
切なくてヤバい くちづけに似た その香り
コルクを 開けてごらん

恋人の微笑みが見たいならば
アロマ深き バーガンディがいい
目眩めく官能が欲しいのならば ボルドーを開けようか

百の花が咲く グラスの中の迷宮に
足を踏み入れて 解けることない魔法の
虜になったら 後戻りは できないと
知りながら もう止まれない

恋人の微笑みが見たいならば
アロマ深き バーガンディがいい
目眩めく官能が欲しいのならば ボルドーを開けようか

あなたの胸に いっぱいの花束を
人生の片隅に 一杯のワインを

あの時 女神様が 若者に 葡萄を与え なかったら
僕らのこの世界は 今よりも ずっと退屈だった
あなたと 出会うことも なかったね
グラス越しに見つめ合い……愛し合うことだって……
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