サンチャゴの鐘

城あとに ひとり登れば
ふるさとの 町はたそがれ
栗色の 髪に生まれて
かくれ住む 女(ひと)を愛した
サンチャゴの サンチャゴの
鐘のある町

武家屋敷 古い土塀に
残るのは 遠い想い出
しのび逢う 夜は短く
山の端の 月に鳴らした
草笛の 草笛の
歌の哀しさ

海越えて 父を求めて
ロザリオと 消えたあの女
トンネルに 風の泣く日は
しなやかな 肩を抱きしめ
サンチャゴの サンチャゴの
鐘をききたい
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