花火

にぎやかな祭りの音
遠く響いている

あたたかい夜の空気
ゆっくり立ちこめて

ベランダで肘つきながら
去年のこと思い出す

ふたり夜店の人の波を泳いだの
手をつないで

今はひとり
ながめる空に咲いた花火を

まぶたの奥 消えない
やさしかった あの笑顔

着なれない浴衣出して
あれこれ迷った日

はじめての自分
いつもあなたに見せたくて

町の灯りがうるんでる
あなたは どうしてるかな

闇にきらめきが散らばって
面影を照らしだすの

今はひとり ながめる
赤く咲いた花火を

あなたもまた どこかで
同じ時間を過ごしてる

今はひとり ながめる
空に咲いた花火を

そっと流す涙も
天にのぼれ あざやかに
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