つばくろ笠

男わらじを 涙ではけば
またもひと吹き 小夜(さよ)あらし
仇(あだ)な仁義に 生命(いのち)をかけた
これがやくざの 泣き笑い

あばれ月代(さかやき) 情(なさけ)がからむ
ここは追分 別れ道
雁(かり)に頼もか つばめに言おか
どうせ旅寝の 片だより

濡れた瞼に おもかげ二つ
誰が呼ぶやら 招くやら
落ちる涙を 黙ってふいて
義理が生命の 道中笠
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