浅間の鴉

何が哀しい 浅間の鴉
雲の行方が 気がかりか
憶いだすなよ 昨夜の風に
枯れた尾花が 咲くじゃなし

道はひとすじ けむりは三すじ
影は沓掛 時次郎
男泣かせの 弓張り月に
背なの坊やと 濡れて行く

泣くな太郎坊 瞼を閉じりゃ
死んだ親ごが 会いに来る
お月さまさえ ひとりでいる身
俺らふたりだ ねんねしな
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