恋は花火か 地の雪か

紅がとけます くちづけに
耳が燃えます ささやきに
帯が泣きます 身悶えて
夢の逢う瀬に 震えます

ぼんぼりに 浮かぶ顔
近くて 遠くて 切なくて
ひと夜だけ ひと夜だけ
恋は花火か 地の雪か

ああ追うまい ああ泣くまい ああすがるまい
一夜(いちや)の夢だと 抱きしめて
一夜(いちや)の夢だと 抱きしめて

息がもれます 抱擁に
髪が舞います 狂おしく
足袋をぬぎます 恥じらって
嘘のない胸 知らせます

せせらぎに 混(まざ)る声
細くて とぎれて 哀しくて
ひと夜だけ ひと夜だけ
恋は花火か 地の雪か

ああ待つまい ああ死ぬまい ああ話すまい
想い出ばかりを 積み重ね
想い出ばかりを 積み重ね

ああ追うまい ああ泣くまい ああすがるまい
一夜(いちや)の夢だと 抱きしめて
一夜(いちや)の夢だと 抱きしめて
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