12才

1948年
海の見える窓のある
平凡な家に生まれた
普通の男の子

体は弱く気は強く
理屈ばかりでウソぶく
友達のできにくい
12才、少年

空の青さが落ちるかと
いつも見上げていた
どうしてさわれない あの青に
これだけ体の奥までしみ込む
激しい優しさに

放課後になれば近くの
ポスター古びた映画館
白黒のドラマが見せる
大人の世界を

暗闇の椅子にひとりきり
でもいつもラブシーンになると
フィルムが切れてしまう
カラカラと映写機 乾いた音を立てて
連れ戻す現実の世界へ

そう ここは夢の中じゃない
現実さ

人の愛し方わからなかった
でもやっと見つけた
眼を開けて見るだろう
君との2つの心が
青空に溶けて
重なる瞬間を

人の愛し方わからなかった
でもやっと見つけた
眼を開けて見るだろう
君との2つの心が
青空に溶けて
重なる瞬間を
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