桜ひとひら

言葉一つ届くのならば
「ここで君を見ていたい」

桜ひとひらの瞬間に刻をとめて

雪解け間近の町並み 息は白くて
小さな声

ゆっくりでいいよ そんなに
急ぐ旅じゃないし

私がしてきたこと 意味がもしあるのなら
いつか出会うだろう その世代へ

言葉一つ届くのならば
「ここで君を見ていたい」

桜ひとひらの瞬間に刻をとめて
抱きしめるよ

繋いだ指から伝わる
ほんの少しの温もりを

今ならわかるよどれだけ
それが大事なのか

確かな気持ちなんて 何を伝えられたろう
いつか笑えたら その痛みも

夏の日差しに恋を覚え
肩を寄せた秋の空

長い凍える雪の中で
灯を燈した冬がすぎて

手繰り寄せた幸せは空に落ちた
桜の花のようで

最後のさよなら もう言わないよ
その手を包んだ

言葉一つ聞けないままで
春の風に揺られてた

一人立ちすくむ横顔を
吹き抜けてく

言葉一つ届くのならば
「ここで君を見ていたい」

君と過ごしたこの季節に
時が止まる夢をみてた

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