海峡酒場

過去を指さす 時計の針が
凍りついてる 壁肌に
別れた女の 似顔を画いて
ひとりしみじみ 飲む酒は
骨までしみるぜ 海峡酒場

海の匂いが 夜霧にまじる
こんな場末の 止り木も
二人の心の 桟橋だった
俺の命は おまえだと
別れて知ったぜ 海峡酒場

故郷へ帰った おまえを追って
俺は夜明けの 船を待つ
こんど死ぬまで 離しはしない
決めた心を 火の酒に
もやして身をやく 海峡酒場
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