喫茶メルボルン

カランカランと鳴る度に
キュルンキュルンと疼く胸
「いらっしゃいませ。お席にどうぞ」
ホントは 「おかえりなさい」と言いたいのに

メルボルン メルボルン
待てど暮らせど メルボルン
メルボルン メルボルン
ゆびきりげんまん 喫茶メルボルン

カビの臭いの四畳半
あなた私を抱き寄せて
ゲバ棒ひとつに想いの丈を
語る 野暮な話が子守唄

メルボルン メルボルン
汗と涙の メルボルン
メルボルン メルボルン
奥歯噛みしめ 憂うメルボルン

メルボルン メルボルン
メルボルン メルボルン

高く積まれた机とイス
バリケードの陰に背を凭れて
束の間しけた煙草をくゆらせ
子供みたいな笑顔でこう言った

「おまえと二人 行きたいとこがある」

放水車の虹の下
目深に被ったヘルメット
「じゃあな」すらも言わずに飛び出す
走る あなたの背中を見送った

メルボルン メルボルン
どこにあるのよ メルボルン
メルボルン メルボルン
約束残し 夢のメルボルン

あれから幾度 陽は昇り
あれから幾度 陽は暮れた
学生街の路地裏に立てた
目印 あなたを待つ場所
喫茶メルボルン

メルボルン メルボルン
連れて行ってね メルボルン
メルボルン メルボルン
それまで営業 喫茶メルボルン

メルボルン メルボルン
待てど暮らせど メルボルン
メルボルン メルボルン
ゆびきりげんまん 喫茶メルボルン