辰巳の左褄

粋なほろ酔い お座敷がえり
浜町河岸は 眉の月
世辞でまるめて 浮気でこねて
裏で泣いてる 左褄
えゝチントンシャンチントンシャン えゝじれったい
惚れてしまって いるものを

「ねぇ、りょうさん、もう帰っちまうのかい?
いいなぁ、待つ人がいて…。
心配なんかしてもらわなくたって。
私(あたし)、今夜はうんと酔ってやる。
だって…。だって…。」

競う素足の 深川育ち
負けん気つよい 勇み肌
時代かわれば 情もかわる
捧げつくして 捨てられて
えゝチントンシャンチントンシャン うんしょんがいな
泣いて綺麗に なると言う

ながい浮世に みじかい命
すんなり通る 道わずか
愚痴を言っても はじまらないが
とかくこの世は 色と酒
えゝチントンシャンチントンシャン もうじれったい
惚れてふられて おんな道
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