スープ

世界で一番 優しい歌を聴かせて
曇った窓を掌でこする
雨を踏む足音は通り過ぎていき

「お帰り」「ただ今」
そんなやりとりが 恋しいよ
寒い心を抱えて 途方にくれる

幸せの音は
まな板を叩く音なのかな
わたしはあなたのために
どんなことができたんだろう

世界で一番 大好きだった笑顔に
会いたくなれば 鍋をかきまぜる
溜め息も 悲しみも 消えますように

「お帰り」「ただ今」
声が聞きたくて 苦しいよ
まださよならが言えない ありがとうさえ

幸せの量は
量れないものと教えてくれた
惜しみなく注がれた日差しに
守られて生きていた

色とりどりの想いが鍋の中で
優しさの方向に
溶け合っていく
何もかも赦してくれる
あなたに似ている

スープができたよ
あなたのような
スープができたよ