A Magical Hand Story

ブロッコリーみたいに生い茂ってる森
光が射し込むダムの用水路で
ひとり小さなボートを漕いでいましたら
真っ白いライオンの親子に遭遇
美しさで見とれてしまうの

取り残されてる彼らに近付き
柔らかい毛並みを撫でようとしたなら
銃声が何発も鳴って 辺りはざわめき
ひっくり返る天と地 暴走した鳥が
水の底で泳いでる

四角いお月様 ここで目覚めたくない
エンドロールをちぎって 君を見つけたよ
白い体は赤く滲んでいたんだ

親ライオンひどく魘されながら
メリーさんの羊を唱えている
傷口を両手で塞ぎつづけたら
みるみる巻き戻されて救い出せたのさ
子ライオンはジッと見つめて歌うよ

みんなを乗せて ぐるぐる廻る
森の星を食べ尽くして

やがて鳴り響く 鐘の音が近付くわ
エンドロールのあとで 君の手を繋いだら
悲しいことひとつ 消せる気がしなくもない
目覚める時まで 私はヒーローなの
砂漠の向こうで何かが呼んでる
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