組曲「鬼子母神」~紅涙

遅くなると 約した 男は 動もせば 抑 来やしない
馬鹿な話さ 左様な 科白を 真に受けるから 泣きを見る
待ち侘びて 諦めて 憂き世は あな憂 闇雲に 意志を 投げても
迷わないで 道形だから 歩き疲れた 徒し身も 痛みも
手を 取り合えば 紛る 涙 はらはら 弓眼が 疼ぐ
生きる 甲斐を 無くした 私も 稚持てば 未だ 張りも出た
殺す つもりで 御子を 浚うも 其と同じと 止めたのに
待ち侘びて 諦めて 憂き世は あな憂 藪蛇じゃ 浮かばれない
紕わないで 肝消ゆ故 二度も 亡くした 哀しみも 痛みも
手を 取り合えば 紛る 涙 はらはら 弓眼が 戦慄く
眼下に 零る 一粒 滲んで 馬鹿にしないで 認めない故
歩き疲れた 徒し身も 痛みも 手を 取り合えばと
嗤わせないで 紅涙が痛い 二度と 帰らぬ 哀しみも 悼みも
手折りた 花で 紛る 涙 はらはら 弓眼に 流れる
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