氷雪原野

時代おくれの 男の匂い
暗いその眸が 気にかかる
遠く哭くのは 汽笛か吹雪か
人が人恋う 流行歌に似て
胸を揺さぶる
根室 厚岸 氷雪原野

あなた使った 名残り湯なのね
滴なぞって ひとり言
どうせ訳あり 一つや二つ
春が来るまで そばに居て
からだ火となる
羅臼 網走 氷雪原野

うしろ姿が やりきれないわ
世話になったと 言い出しそうで
下り最終 男と女
雪の砂漠は つづいても
ついてゆきたい
宗谷 紋別 氷雪原野
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