夕凪

いっそ時化なら なみだも似合う
絹を敷く海 光る海
あのひとを
忘れる為だけ 生きてきた
女ごころと うらはらな
ここは夕凪 伊予港

同じ海でも どうして分ける
一つ一つの 海峡に
訳ありの
男と女の 恋の瀬も
あなた超せない ものですか
問えばみれんの 伊予港

夜明け間近は 暗いと云うわ
闇が一番 深いとき
あの船も
明日には始発の 船になり
そうよここから もう一度
春を呼ぶ呼ぶ 伊予港

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