寒ぼたん

雪の白さに 逆らうように
ひと色紅く 咲いた花
世間の風は 冷たいけれど
震えるおまえの その肩を
きっときっと守るよ この俺が
ひと冬枯れるな… 寒ぼたん

夢にはぐれた なみだの季節
それでもいいさ 遅れ咲き
あなたに逢えて しあわせですと
微笑むおまえの 片えくぼ
俺の俺のこころを あたためる
愛しい花だよ… 寒ぼたん

痩せた横顔 うなじの細さ
あげたいいつか やすらぎを
あなたの胸は わたしの故郷
遠くへ行ったら 嫌ですと
指を指を絡めて 眠るやつ
春まで枯れるな… 寒ぼたん
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