甘い感傷

寄せては返す波の音は
まるでぼくらのようだね
近づき過ぎずに
遠ざかっていこうとする

太陽 声 影 崩れてく砂の城
好きだと言えずに ごまかして笑う

甘い感傷の場面も
十年後にはきっと忘れてしまうさ
だから今だけ時間を止める魔法かけたんだ
目をとじて

突然きた夕立は
まるでぼくの恋に似ているよ
打つ雨の音で
心臓の音を隠した

コールタール 湿る匂い 繋いでしまった手と手
無言は時々 言葉以上になる

雨に打たれても走ったよ
きみの気持ちを知ってしまうのがこわくて
恋の順序もわからずもどかしくて愛しくて

甘い感傷の場面も
十年後にはきっと忘れてしまうさ
だから今だけ時間を止める魔法かけたんだ
目をとじて
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