北の挽歌

吹雪がやんで 雲間が切れて
海風にまかれて 海猫(ごめ)が啼く
オショロマ岬 番屋では
夜通し 焚火たく
浜の女がよー 今日も沖を見る
かわいい男衆(ヤンシュウ)の 漁船(ふね)を待つ
あんたが無事で もどって来たら
死ぬほどあんたを 抱いてやる

この子を膝に 遊ばせながら
髭面(ひげづら)をゆるめて 呑んでいた
真冬の海は 寒かろに
涙が 頬つたう
浜の女がよー 今日も沖を見る
こどもを抱きしめ 背伸びする
あんたを今も 死ぬほど好きと
風吹く浜辺で 呼んでみる

浜の女がよー 今日も沖を見る
かわいい男衆(ヤンシュウ)の 漁船(ふね)を待つ
あんたが無事で もどって来たら
死ぬほどあんたを 抱いてやる
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