雪虫~ふたりの約束~

きっと君は見透かしてる 例えどんなに抱きしめても 旅立つ僕の心の奥を
後ろめたいこの気持ち 許されるための言葉 探してばかりいることを

秋の冷たい風が 意地悪をしても 明日から僕は 包み込めない
終わりを告げる笛が ホームの端に響いて 君の瞳を見つめた

風に舞い踊る雪虫の中 涙が儚く頬を伝う
それでも無理して微笑んだ顔 強がりで弱い君は 愛しい人

あれから幾度紅葉が 散るのを見送っただろう 焦りだけが降り積もってゆく
振り返ってしまうのは 過去の方が眩しいから 今が輝いていないから

ずるい人ねと言われた 僕の性格は 相も変わらずに ずるいままだよ
辛い時だけいつも 君を思い出してる これは自分の弱さから

迎えに来るからという約束を 君はもう忘れてしまっただろう
ひらひらと舞う雪虫の姿 思い浮かべては 流れ落ちる涙

遠い日の約束は 大切にポケットの中
“今でも愛している”というのは
素直な気持ちだよ それだけは言える

秋の冷たい風が メトロの出口へ 故郷の君が 心配になる
今年も季節は巡り 紅葉が散るのを 僕は見送りたくないよ

風に舞い踊る雪虫の中 微笑んだ君を思い出す
嫌いな事をちゃんと嫌いだと 言える君が本当に愛しい

風に舞い踊る雪虫の中 真っ白に二人が染まって
きっと迎えに行くからその時は 遅いよと言って笑って 愛しい人
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