分岐点

昔の恋人 僕を呼びつけて
また例によって 失恋話
普段は全く 音沙汰も無しに
何処かの誰かと 別れる度に呼び出す
悲しい時には お腹が空く性質で
それも決まって ミートパイとソーダ水
それを泣きつ怒りつじっと頬張ってる
ごめんね いつも泣き顔ばかりで
でも喰べかけのミートパイ じっと見てると
いわゆる 条件反射なのよね
ぼっとしたあなたの顔見たくなる
そんな憎まれを 叩いて2杯目の
ソーダ水飲み干して やっと笑ったね

寂しがり屋なら みんなそうだけれど
会う度に君は おしゃべりになってゆく
愚痴に飽きたなら 想い出話をする
しかも僕とほかの 誰かをごちゃ混ぜにして
何だかんだと 永いつきあいになる
それもほとんど ミートパイとソーダ水
まるでどちらに会いに来るのやら
けれども ふと気がつけばこうして
君の大事な分岐点には 必ず僕がいる
お互い 歳を重ねた分だけ
あの頃よりもずっと身近に居るね

可笑しなもんだね もしかしたら君と
出直せるかなんて 今思ってる
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