黄昏迄

海を見下ろす丘の上は
何時でも向い風が吹いて
空と海の青と思い出とが一列に並ぶ

君が愛していた仔犬は
あれから大きく育って
今僕の側で一緒に海鳴りを聴いてる

黄金色の波の上を帆影がひとつ
ふたつ港へと還ってゆく

昔君と約束していた
二人して年老いたならば
世界中を船で廻ろうと
飽きる程一緒に居ようと

突然に海に帰った君を
追いかけて僕の心が鴎になって舞い上がる

黄昏迄風に吹かれたい
ぬくもりを懐かしむ様に
寄せて返す波を見ていたい
いつまでも漂いたい

黄昏迄海を見ていたい
ぬくもりを懐かしむ様に
寄せて返す君を見ていたい
いつまでもいつまでも
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