地図をゆく雲

土曜日の人ごみにまぎれ
いたずらな口づけをしたね
いつだって 楽しくて
二人ならいいと 思ってた

ポケットに 手を入れて歩く
ちょっと猫背な その横顔
少しずつ 大人びて
いつかしら 届かなくなってく

水色の地図を
ゆく雲のように
あなたはいつも
遥かな人だわ

大丈夫 ずっとわかってた
そんなあなたのことが
とても 好きだった

風になびく 髪を束ねる
ふりをして 涙をぬぐった
誰よりも 新しくなってく
あなたが 眩しくて

変ってく 自分に会いたい
見知らぬ国へ 行くと言った
少しづつ 遠ざかる
船を見送るように 頷く

水色の地図を
ゆく雲のように
あなたはいつも
生きて欲しいから

大丈夫 遠く離れてく程
大きな雲なら
見えるものだもの

遥かな国を 超えてくる
手紙の文字が せつないでしょう

大丈夫 愛は変えないわ
いつか 帰ってきたら
戸惑うくらいに

水色の地図をゆく雲を
私見失なわずに
追いかけてゆくわ
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