夏より熱い冬

人ごみの中 控えめな背伸びして
揺れるポニテを見てた……
ズームで撮ったキミの写真のネガは
今頃、部室でアイツが焼いてる

引っ越しの作業はどこへやら……
長細いパッケージ 8cmCD
まるで時間が どんどん戻るよ……

この手が届きそうで だけどすり抜けた
ライト浴びて踊るキミ
太陽よりもまぶしい……キラキラ輝いてた
僕の恋を、ひらりかわして
夏より熱い冬、僕は知ってる

週末ごとに 小さな旅をしたね
留守電 聞いて アドホック
一晩中 コーヒーだけでねばって
語りあったよ まじめな顔をしてさ

僕が知る前のキミのこと
手書きのラベルの VHS
風が強くて あぶなげな……純白

宙に向かって投げた 僕の紙テープ
キミの頭上 花吹雪
この手に持った光 一面の花畑
キミの瞳に 映ったらいいな……

偶然でくわした 帽子をかぶった
僕の知らない君の顔
何度も何度も 呼んだ名前なのに
なぜか声をかけられなかった…

この手を離さないで…どうかいかないで…
最後の日 キミのナミダ
もう会えないんだね…まるで卒業式さ
キミのじゃなく、僕たちの

この手が届きそうで だけど、すり抜けた
ライト浴びて踊るキミ
でももしかしたら…ううん、気のせいじゃない
目が合ったんだ…その一瞬が
夏より熱い冬…
僕の青春(はる)
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