emergence

硝子の瓶に
やさしい朝が
ひとしずく落ちて
明日に変わる

いま望む未来
繰り出した手は幻
朝露に映る
浮腫んだ夢の兆し

重ねた羽根広げて
純なる陽射し浴びても
ふれあう棘と私
盲目の心は脆くて
まだ確かに疼く

流れる星に
翳したその手
零れた欠片を
掴めるだろうか

月が映し出す
華やかな夜、幻
夜露に映った
私の知らない私

飛び立て羽根広げて
生まれたての柔らかな
湿りを帯びたままで
自由と言う大空を往く
この祈りを乗せて

重ねた羽根広げて
純なる陽射しを浴びても
ふれあう棘と私
盲目の心は溶けゆき
いま未来は変わる

ただ静かに待つの
×