美幌峠

あなた忘れる 旅だけど
霧が心を まよわせる
なにも見えない 峠に立てば
にくしみだけが 遠ざかる
ああ さいはての
美幌峠に 霧が降る

あすはサロマか 裏摩周
つらくなりそな しぐれ空
あれは和琴と 指さす人の
どこか似ている うしろかげ
ああ さいはての
美幌峠に 風が哭く

胸にすがった この指が
いまはみぞれに 泣いている
蓮葉氷に しずんだ湖(うみ)に
愛のもろさが にじんでる
ああ さいはての
美幌峠に 雪が舞う
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