山百合の駅

汽車が着くたびに 改札口で
今夜もあなたの 姿をさがす
もいちど逢って 思いきり
帰って来てねと 叫びたい 叫びたい
濡れて咲いてる 山百合の
花も淋しい 山の駅

けむる霧雨の 線路の果てに
消えゆくあなたの 別れの汽笛
もいちど逢って 恋しさを
あなたの心に 伝えたい 伝えたい
雨のホームに 山百合の
香り切ない 山の駅

あなた待ちながら 待合室の
古びた時計が 別れを刻む
もいちど逢って 思いきり
帰って来てねと 縋(すが)りたい 縋(すが)りたい
雨のしずくに 山百合の
花が炎(も)えてる 山の駅
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