夜のプール

星屑を散りばめた 夜のプール
両手で掬うきみは
はにかみながらぼくを 名字で呼ぶ
胸の開いたドレスで

長い間 愛ばかり 大切にしすぎてた
いつからか恋のしかたを 忘れて

夜露を浴びたせいさ 欲しいものを
言えない子供になり
手摺りにもたれたまま 昔話
その指にも触れずに

長い間 隠してた 想いならそのままに
吐息が聞こえる近さが せつない

月の雫に光る 街の灯り
こんなに綺麗なのに
零れそうな言葉を 胸にしまい
南風を見ていた

長い間 見つめ合い 微笑んで近づいて
抱きしめるだけを恋とは 呼べない
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