ふるさとの灯り

ふるさとは
思い出胸にせまりきて
つづく坂道 吹く風よ
里の匂いも ぬくもりも
帰って来たと呼びかける
あゝ ふるさとの灯(あか)りがみえる

たずねきて
昔の友の面影は
今も変わらぬ国なまり
こぶしにぎった癖までが
遠い思い出 懐かしい
あゝ ふるさとの灯りがゆれる

いまもなお
心に残るあの女(ひと)は
宿の女将(おかみ)も板につき
縞の着物に 紅(べに)だすき
幸せですと 目で笑う
あゝ ふるさとの灯りが潤(うる)む
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