吉野情話

桜の花の咲く頃に
帰っておいでと 云う便り
やさしいことばの 人故恋し
鳥はさえずり 呼びかける
胸にせせらぎ ききながら
夢まぼろしか 吉野の里よ

清き流れの 吉野川
思いださせる 遠い日を
母の背できく 子守唄
みどり山並 そのままに
匂う杉の香 しみじみと
やけに恋しい ふるさと心

秋のもみじに 身をよせりゃ
人の情が 泌みる夜
散るは 木の葉に しぐれの雨が
逢えば 別れのさだめでも
なぜかつれない 川上に
降るは白雪 吉野の里よ
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