あいたい

あなたのいない 哀しい季節
何度迎えるのでしょうか
写真の前のローソクが
今年も一本増えました

目を瞑(つむ)れば あなたの面影蘇る
名前を呼ぶ度 込みあげる
やるせない悲しさ 愛しさの
混じりあった あめ色の涙

罠に掛かって 飛べない鳩よ
あの日から 止まったままの時間
ひとつだけ願いが叶うなら
「あいたい」
辛かった日々を うち消すように
この手でしっかりと 抱きしめてやりたい

あなたが生まれ 輝く季節
愛の光に包まれた
巡りあえた運命に
感謝しきれない この思い

前触れもなく 突然襲った悲しみは
涙の渦に 沈み込む
やり場のない切なさ 憎しみの
色褪(あ)せた 虹色の涙

傷を負って 飛べない鳩
写真のあなたは 無情の微笑み
ひとつだけ願いが叶うなら
「あいたい」
冷え切った魂(からだ)が 温もるように
涙を拭いて 暖めてやりたい

抱きしめてやりたい
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