小さな酒場

アデュー アデュー
あの人が好きだった
静かなこの曲が
今夜も私を 辛くする
小さな酒場の片隅で
古びたピアノを弾きながら
アデュー アデュー
歌っている 淋しい私

アデュー アデュー
灰(ほの)暗い灯の下で
座り手のない椅子が
だまって誰かを 待っている
涙は見せない はずでした
女の悲しい あきらめを
アデュー アデュー
歌っている 淋しい私

「あの人はもういない
どこにもいない」

私はひとり
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