夕焼け地蔵さん

泣いて泣かせて それきり逢えぬ
あの娘はお嫁に いったろか
花の廿才もヨー もうすぐ過ぎる
俺もお前も 他国の生まれ
せめて偲ぼか あの頃を。

赤い夕焼け 紅がらとんぼ
泣き虫地蔵さんに なぜとまる
遠い東京にヨー 達者でいるか
便りぐらいは 呉れてもよかろ
上り汽車見りゃ なおつらい。

一羽はぐれて 旅して帰る
雁(かり)よ故郷が 恋しかろ
林檎色づきゃヨー また想い出す
つらい別れの 段々畠
涙いろした 月が出る。
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