淡路の千鳥

波にゆられて 水藻にすがり
泣くかいとしの 淡路の千鳥
由良の港へ 忘れず帰れ
阿波へ旅する お遍路さんの
笠が可愛いい
笠が可愛いい 夜の船。

月の一ト夜を 明石の宿で
想い悩んだ 初恋ごころ
海はおまえの 生れた故郷
細くやさしく 汽笛が響きゃ
鳴門みかんの
鳴門みかんの 花が散る。

あすも晴れなら 紀州の山が
見えるだろうよ 淡路の千鳥
潮のながれも 風吹きゃ荒れる
情ほしかろ 浮寝の夢も
さめりゃ冷たい
さめりゃ冷たい 波まくら。
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