師匠

子でも孫でも ない他人の子を
火の粉背おって 育ててくれた
仰げば尊し 師匠の拳
あまりの痛さに 怨んだ日々が
いまじゃ恋しく 懐かしい

ほめて袈裟がけ 世間の無情
広い背中で さらりと受けて
にっこり着流す 師匠の笑顔
黙って学べと 言うことなのか
俺も持ちたい あの度量

女なんかに 迷うなばかと
叱る自分が 女に迷う
仰げば尊し 師匠の涙
ちょっぴりのぞいた 赤坂あたり
栃木訛りの 風が吹く
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