ウソノイロ

僕らが知ったつもりでいた嘘は
互いの思い込みが深まって真実にさえならなかった
まるで呼吸をするように咲いた
喜びとか悲しみの花に色を染められなかった

交わせば交わすほど無意味が口をこぼれて
本当に大事なカタマリは夢中で空気に溶けた

最期にしようと決意した仮初は
真円を描く事ない光の束のように
なんて足りない情けだと嘆いても
失うものが多過ぎて気にするほどじゃない

どこかで錯覚しなければいつも
自分と対峙する鏡だってそれさえ重ならなかった
君よりも上手に嘘をついて
勝ち誇る卑しさが癖になって割り切る事ができなかった

思えば思うほど涙はつまらなくなって
瞼にうかぶ笑顔は何を告げたか分からなくなった

最期に言おうと用意した祝福を
分かち合うなら闇を照らさなくてもいいのに
ほんの少しの嘘が残ってるなら
背中に貼りついた出会いを消してしまおう

君が願った嘘と真実は今や
いつも先回りしてた僕の後悔
かみしめても目の前を染めるのは
他愛もない嘘の色

最後にしようと決意した仮初は
真円を描く事ない光の束のように
なんて足りない情けだと嘆いても
失うものが多過ぎて
悲しみもゆき過ぎて
気にするほどじゃない
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