氷る世界

仄かな月の灯りが守る横顔
朝(あした)を擦り抜ける君の影は
ただ花のように凛と佇み
時間(とき)を留める

その瞼に映る景色は
帰りたい故郷(ばしょ)だと気付いていたけれど

心まで氷らせて塞いだ記憶 君の強さ
鎖を託す手が震えた冷たさだけ 想い出す

途切れた道の向こうを見つめる君と
昨日に彷徨う僕との狭間
ただ降り続けた白雪だけが
時間(とき)を重ねる

あの言葉に宿る願いが
何よりも哀しく闇夜を明かしても

涙さえ氷らせて 歩いてゆくと君に誓う
果てなき罪抱え 運命に抗うため
正解(こたえ)のない迷路へ

新たな未来を描(えが)く貴方
背を向けた世界の終わりで
呑み込まれた真実を探すなら…

歌声を眠らせる最期の祈り 君の欠片
絡んだ糸を断つ その刻が来るまでは

何もかも氷らせて 剣を取ると僕は誓う
全てを捨ててでも 永遠に忘れない
君は水唱石(そこ)にいるから
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