遥かなる火

ひいらぎの葉の先が
鞭打つ冬に身構える
旅立ちの刻(とき)を待つ
水鳥たちの羽が舞う

越えねばならない
小高い丘に向かい
人はいまどんな
希望(ゆめ)を見ている

空よ 空よ
まだどこにもない道は
どこまで続く

空よ 空よ
めぐり逢う手に渡す
かがり火は見えてるか

光に閉ざされた
闇でも咲ける花がある
海図のない舟は
風の彼方に星を読む

強くはなくても
はじめることの果てに
人はまだきっと
明日が見える

空よ 空よ
まだ誰でもないのなら
なんになろうか

空よ 空よ
後に来る者が知る
かがり火 燃やしながら

空よ 空よ
まだどこにもない道は
どこまで続く

空よ 空よ
めぐり逢う手に渡す
かがり火は見えてるか
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