二人目の人類

真夜中に目が覚めて となりを見ると
わたししかいないはずの この部屋の中
誰かが寝ていた

この人は誰? わたしではないし
この人は誰? 影ではないし

静かな部屋に寝息の音が はっきりきこえる
さわってみると温かい 腕も胸も肩も
確かに生きてる

この人は誰? わたしではないし
この人は誰? 夢ではないし

この部屋の中に わたしだけの世界に
23年目にして訪れた 二人目の人類

眠るあなたのうしろの闇に 何十億の
見知らぬ母が 見知らぬ兄が 見知らぬ友が
ふと見えた気がした

この人は誰? わたしでない誰か
この人は誰? どうしてここにいるの?

この部屋の中に わたしだけの世界に
23年目にして訪れた 二人目の人類

世界にとってみれば ちっぽけなひとり
だけどわたしにとっては 初めての
いとおしい魂
×