光る馬車

夜空を細長く切りとる 月明りの窓
窓辺にたたずむあなたの影だけを
いつまでもわたし みつめてた

あなたの思い出に わたしを残さないで
あなたの記憶から わたしをすべて消して

世界のどこにもない街の どこにもない部屋
どこにもいない人 今だけの恋人
今だけの夢を抱きしめた

愛していたことを 風にも教えないで
あなたの記憶から わたしをすべて消して

寝静まる青い街並みを 幻影の光る馬車が行く
遠ざかる馬車の鈴の音が あなたの言葉を耳に繰り返す
(愛してる きみを誰よりも)
(愛してる 時が流れても)
(愛してる ぼくは変わらない)
遠のく鈴の音だけが いつまでも消えない

あなたの心に 生きつづけることが
死ぬよりも もっと淋しいの

あなたの思い出に わたしを残さないで
あなたの記憶から わたしをすべて消して

愛していたことを 風にも教えないで
あなたの記憶から わたしをすべて消して
×