海の祈り

果てしなき海の彼方に 水色のやすらぎを
求めた友は 帰らない
陸(おか)には住めない 依怙地(いこじ)な男が
木の葉の船に つかまりながら
蛙のように 歌っていると
無線をくれた ゆかいなあいつ
あいつを呑んだ 嵐が憎い

安らかに眠れ友よと 花を投げ伏しおがむ
おれにも明日は 知れないが
守っておくれよ おまえの力で
オイルのしみた 形見のギター
おふくろさんに 届けるまでは
いい奴でした 男でしたと
おふくろさんに 伝えるまでは

あなたには海があるから いいわねと泣いていた
港の女(ひと)を おもいだす
逃げだすつもりは さらさらないけど
海には広い こころがあって
昨日の俺が 小さくみえる
荒れるな海よ おまえに惚れた
男の夢を 奪うな海よ
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