浮き名かぞえ唄

一つひと夜で 浮き名をたてて
たてたあげくがね
花も実もない 恋になる
二つふか酒 からだに毒よ
とめたわたしがね
いまはあなたを 焦(こが)れ酒

しょんがいな しょんがいな しょんがいな

三つ身も世も 霜枯れ柳
苦労する気でね
かけたいのちの 不甲斐なさ
四つ五つと 数える指が
ほそくやつれてね
ツンとくいこむ 三味の糸

しょんがいな しょんがいな しょんがいな

六つ無理やり わたしを口説き
ゆめを見させてね
あとは白波 帆かけ舟
七つなみだの 丸窓座敷
泣いているのはね
ひとりぼっちの 舞扇

しょんがいな しょんがいな しょんがいな

八つ九つ 今夜は来るか
迎え出ましょかね
青い蛇の目の 傘さして
十でとうとう 諦めました
みんなみんな みんなね
浮いたあぶくの 恋でした

しょんがいな しょんがいな しょんがいな
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